札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

     観光色が一切ない白老町竹浦地区。「こんな場所に、なぜ宿が」と問えば、「そこに温泉があるから」に他ならない。


    時が止まった温泉宿

    ホテル
    玄関
     「ホテル」を名乗るものの、洋風の雰囲気は一切ない。創業42年の温泉宿は、失礼を承知で言えば、高度経済成長時代の安普請がそのまま経年劣化しており、歴史が醸し出す風格もへったくれもない。壊れたままの自販機や、日に焼けた土産物が無造作に放置された館内は、時間が止まったまま。ハイライト230円(現在420円)に時代の流れを感じる。

    なつかしい自販機
    ガラスケース
    土産みやげもの


    客室1
     窓外は隣家なのだが、人の気配はしない。真夏の西日が差し込む2階客室は暑過ぎたので、日没までカーテンを閉めた。それにしても、客室の造りは古いが広々。トイレや洗面所、廊下といった共用スペースを含め、掃除は行き届いている。土曜日に客は3組のもよう。


    穴場のモール泉

    天然温泉
    モールモール
     こちらの宿、透明な単純泉がメーン。それとは別に、男女露天風呂の湯船の1つで、琥珀色した湯を味わえる。宿側は分析していないから成分不明と言うものの、色合いや湯面に浮かぶアワアワを見れば、モール泉っぽい。肌触りがどことなくツルツルするし。湯口から注ぐモール泉は冷たいので、アツアツの単純泉を足している。それでも他の浴槽より温いため、訪れた真夏は客がこの浴槽に集中した。いつまでもダラダラ入浴でき、爽快だ。

    淡い色



    真っ当な旅館料理

    アイデア
     昭和のまま経年劣化した温泉宿の夕食は、正直言って期待していなかった。ところが、毛ガニ(半身)、天ぷら、刺身、茶碗蒸し、すき焼き・・・確かに昭和風情のTHE旅館料理メニューなものの、思いのほか美味しい。部屋食だけに持ち込んだアルコールも自由に楽しめる。食堂室で食べた朝食を含め、これまた失礼ながら、「意外にイケる」と主張したい。
     夕食のおひつ、味噌汁、茶碗蒸しは「磯田元気水産」と記された発泡スチロールの箱に入れて供された。1時間経っても、食い物はアツアツだ。このアイデアは、2003年にこの宿へ1人で泊まった際と変わらない。あえて変更点を言えば、発泡スチロールがピカピカきれいだったこと。以前は薄汚かったので、食欲もダウンしたのを覚えている。

    朝食全景



    真贋を知る、玄人向け宿

    地図
     宿の客室は禁煙が広がる中で、こちらの宿は吸い放題。提供される宿名入りマッチ箱は貴重だ。表面に記された「くつろぎの ひろがり」というキャッチコピーは、誰が考えたのだろうか。イイね。
     裏面に記された地図をみると、「白泉閣」「ホテル本陣」「旅荘さざなみ」「はまなす会館」・・・今は亡き宿が散見され、時代を感じまくる。平成の世に生きるワタシ達は、昭和のままの宿名入りマッチ箱を拝見し、ウットリ気分なのだった。

     富士の湯温泉ホテルの目の前に、草だらけの広大な空き地がある。所有者は旭化成。1970年代の白老町は、温泉開発ブームで沸いた。旭化成ホームズが石山地区で温泉付き宅地を販売管理していた事実を踏まえれば、竹浦地区でも造成を計画していたものの、とん挫したのかも知れない。そんな想像をしていたら、「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」という松尾芭蕉の句が浮かぶのだ。

     もしも、この温泉宿へ泊まるのであれば、真贋を知る玄人に勧めたい。1泊2食、土曜に2人で泊まって1人6,500円。泊まり慣れた玄人ならば、コストパフォーマンスの高さにびっくりするはず。モール泉+穴場な温泉宿と言っておこう。言い換えれば、観光向けではなく、働く出張族の利用がメインだから、観光目的の人は期待しないように。
     その方が宿も客も幸せなのだから。

    時代に取り残された感満載の宿ですが、お湯の感じがいいのと食事も思ったより良さそうなので今度機会があったら一度泊まってみようかという気になりました。

    2017.02.26 21:57 URL | さくらさくら #- [ 編集 ]

    さくらさくらさんへ

    ありがとうございます。
    そうなんですよね。6,500円という値段ながら、お湯と食事がイイんですよね。
    もちろん、観光向けの宿ではないので、期待値のハードルを下げた上で泊まると、
    満足度が高まると実感しています~
    もしも、泊まられましたら、率直な感想を聞きたいです(笑顔)

    2017.02.27 07:59 URL | いっち #- [ 編集 ]

    白老には、何年か前まで旭化成の工場がありました。おそらくは開発を試みたのでしょうが、石油ショックなどの時代の変化で頓挫したのでしょうね。

    白老は、ポロト温泉もモールっぽい感じで好きです。

    あ、札幌に戻ってきました。旭川は市内に温泉が無く、日帰り遠征が多かったのです。

    2017.02.27 12:40 URL | じゅん #MvSKUjhA [ 編集 ]

    いっち様の的確な描写に思わず吹きだしてしまいました。いいですねー、この時代に取り残された雰囲気は。もう興味津々です(笑顔)。
    5月に北海道に上陸予定ですので、早速宿泊を検討してみます。旅程案としては富士の湯温泉ホテル⇒長万部丸金旅館⇒銀婚湯⇒鹿の湯がいいかなー。
    マッチ箱にある近隣の湯宿の地図ですが、民宿500マイルやホテルほくようが無記載なのは何故なのか・・。どちらもすでに営業していたハズ。気になりますね。宿泊の際、訊いてみようかなー。面白い宿をご紹介してくださり、ありがとうございました。

    2017.03.01 23:59 URL | がーこ #- [ 編集 ]

    じゅんさんへ

    お仕事お疲れ様です。札幌への帰還、何よりです。白老、近くなりましたね(笑顔)
    そうですよね、旭化成の工場が閉鎖しましたよね。
    すぐそばにクラウン団地があるので、旭化成も温泉団地の造成を企てたと妄想しましたが、
    ひょっとしたら工場用地だったかも知れないという選択肢を感じました。
    一方で、石油ショックによる計画頓挫も有力候補ですね~

    ポロト温泉も、国立アイヌ民族博物館などの整備の影響を受け、
    移転を余儀なくされ、
    宿泊もできる温泉施設として、運営企業を公募していますよね。

    そんなこんなを経て、あの頃と変わらない温泉宿ってイイですね(笑顔)

    2017.03.02 22:22 URL | いっち #- [ 編集 ]

    がーこさんへ

    連投ありがとうございます(笑顔)
    何も手を加えていない、経年劣化した温泉宿って、
    ある意味、貴重とオモッテマス~
    5月旅行で富士の湯温泉ホテルと銀婚湯をコラボされるって、
    めちゃくちゃ新鮮です! 
    肌に合わなかったら、申し訳ないので、ワタシの話は話半分で(笑)
    マッチの謎、ワタシが知りえなかった真相の解明を期待します!

    2017.03.02 22:23 URL | いっち #- [ 編集 ]












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